2007 年 30 巻 2 号 p. 39-44
子牛の肺炎における免疫反応を評価するため、自然発症した肺炎罹患子牛29頭の血清腫瘍壊死因子(TNF)活性と末梢血白血球のポピュレーションを解析した。供試子牛は検査後に死亡した群(1群、n=12)と回復した群(2群、n=17)とに分類した。1群では呼吸困難、発咳やラッセル音などが明瞭に観察された。1群の動脈血pHおよびpO2は2群に比べ有意な低値が認められた。1群の血清TNF活性は2群に比べ高値を示す傾向にあった。1群のCD3+、CD4+およびCD8+T細胞数は、2群に比べ明らかな低値を認めた。またCD3+T細胞数とpO2、血清TNF活性値とCD4+T細胞数との間には有意な相関が認められた。これらのことから子牛の肺炎の病態と血清TNF活性ならびに末梢血白血球ポピュレーションには関連があるものと示された。