日本家畜臨床学会誌
Online ISSN : 1883-4604
Print ISSN : 1346-8464
ISSN-L : 1346-8464
肺炎子牛における血清腫瘍壊死因子と末梢血白血球ポピュレーション
大塚 浩通乙丸 考之介小岩 政照
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 30 巻 2 号 p. 39-44

詳細
抄録

子牛の肺炎における免疫反応を評価するため、自然発症した肺炎罹患子牛29頭の血清腫瘍壊死因子(TNF)活性と末梢血白血球のポピュレーションを解析した。供試子牛は検査後に死亡した群(1群、n=12)と回復した群(2群、n=17)とに分類した。1群では呼吸困難、発咳やラッセル音などが明瞭に観察された。1群の動脈血pHおよびpO2は2群に比べ有意な低値が認められた。1群の血清TNF活性は2群に比べ高値を示す傾向にあった。1群のCD3+、CD4+およびCD8+T細胞数は、2群に比べ明らかな低値を認めた。またCD3+T細胞数とpO2、血清TNF活性値とCD4+T細胞数との間には有意な相関が認められた。これらのことから子牛の肺炎の病態と血清TNF活性ならびに末梢血白血球ポピュレーションには関連があるものと示された。

著者関連情報
© 日本家畜臨床学会
前の記事 次の記事
feedback
Top