日本野生動物医学会誌
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症例報告
高知県内で保護された野生鳥類の糞便検体による消化管寄生虫保有調査
井上 春奈森 悠芽畑中 律敏芝原 友幸笹井 和美松林 誠
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キーワード: 糞口感染, 寄生虫, 野生鳥類
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2023 年 28 巻 2 号 p. 103-106

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抄録

 野生鳥類の糞便101検体についてショ糖遠心浮遊法により寄生虫検査を実施した。その結果,寄生虫の陽性率は29.7%であり,内訳は原虫類(Eimeria 型もしくはIsospora 型のオーシスト)が20.8%,線虫類(毛細線虫類または回虫類)は8.9%であった。消化管寄生虫は糞便と共に排泄された後も長期間にわたり感染性を保持するため,間接的または直接的な糞口接触が比較的高率に生じている可能性が示唆された。

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© 2023 日本野生動物医学会
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