日本野生動物医学会誌
Online ISSN : 2185-744X
Print ISSN : 1342-6133
ISSN-L : 1342-6133
原著
我が国に定着した2種の外来齧歯類(タイワンリスCallosciurus erythraeusおよびヌートリアMyocastor coypus)の寄生蠕虫類に関する調査
松立 大史三好 康子田村 典子村田 浩一丸山 総一木村 順平野上 貞雄前田 喜四雄福本 幸夫赤迫 良一浅川 満彦
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 8 巻 1 号 p. 63-67

詳細
抄録

国内5郡県で採集されたタイワンリスCallosciurus erythraeus 24個体およびヌートリアMyocastor coypus 53固体について内部寄生蠕虫類の調査を行った。これら2種の外来哺乳類における本格的な寄生蠕虫調査は今回が初めてである。その結果,タイワンリスからはBrevistriata callosciuviおよびStorongyloides sp.が,またヌートリアからはStorongyloides myopotami. Calodium hepaticumおよびFasciola sp.がそれぞれ見つかった。Fasciola sp.がヌートリアに寄生していた例は日本において初めての報告である。Fasciola sp.とC.hepaticumは人獣共通寄生虫症の病原体なので留意すべきである。

著者関連情報
© 2003 日本野生動物医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top