関西医科大学雑誌
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甲状腺機能検査法とその読み方
西川 光重
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1991 年 43 巻 1-2 号 p. 1-13

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抄録
最もよく用いられる甲状腺機能検査法は血中甲状腺ホルモン濃度の測定である.特にサイロキシン(T4)及びトリヨードサイロニン(T3)濃度及びT4結合蛋白に影響されない指標としての遊離型T4(FT4)濃度測定が有用である.同時に,高感度測定法によりTSH濃度も測定する.抗甲状腺抗体,抗TSH受容体抗体など免疫学的検査も重要である.invivoの甲状腺機能評価には123Iなどによる甲状腺摂取率・シンチグラム作製を行う.腫瘍を疑うときは頚部エコー,穿刺吸引細胞診がよく行われる.
甲状腺疾患の診断・治療には,これらの甲状腺機能検査を適切に組み合わせて施行し,甲状腺腫の性状と全身的な診察所見を加えて,総合的に評価することが重要である.
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