関西医科大学雑誌
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当科におけるグローションカテーテルの使用経験
内田 洋一朗北出 浩章海堀 昌樹高井 惣一郎川口 雄才権 雅憲上山 泰男
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2001 年 53 巻 2-4 号 p. 141-147

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抄録

グローションカテーテルは末梢静脈より留置可能な中心静脈カテーテルであり,当科におけるその使用経験について検討した。対象は1998年4月から2000年6月までの21症例(計24回),年齢は18歳から87歳で,平均年齢は64歳男女比は12:9であった.基礎疾患は,胃癌6例,大腸癌3例,膵癌3例,その他9例であった.使用目的は,高カロリー輸液19例,化学療法4例,その他1例で,留置期間は3日から51日間,平均i8.9日間であった.治療途中で抜去した症例は16例あり,原因は発熱10例,静脈炎4例,その他2例であった.当科では,中心静脈カテーテル留置中の発熱は早期に抜去する方針である為,治療途中で抜去した症例が多かった.しかし,グローションカテーテルは,重篤な合併症を認めず留置操作が簡便であり,抗癌剤の持続投与や高カロリー輸液目的で,中心静脈圧測定を必要としない症例では非常に有用であった.

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