日本語教育方法研究会誌
Online ISSN : 2423-9909
Print ISSN : 1881-3968
日本語教育におけるディベート活動の利点
文野 峯子
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1994 年 1 巻 2 号 p. 32-33

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抄録

中級及び初級クラスで行ったディベート活動の学習者発話を観察したところ、テーマに添った相互交渉、発話機会の均等化、個々の学習者の発話量確保の点で、ディベート活動は意見交換を目的としたディスカッションと比較して優れていること、すなわち、相互交渉の機会を能力向上の条件とする第二言語習得理論の観点から、ディベートの形態、は学習者の口頭表現能力の向上により多く貢献していることが示された。これは、ディベートの持つ3つの要素、賛成反対に別れる・勝敗を前提とする・制限時問を設けるなどに起因するところが多いと思われる。しかし、チームの人数による発話量の不均等や相互交渉中の母語使用が見られるケースもあったことから、話す活動における活動形態やルール、解決すべき課題の有無、時間制限、語彙・表現の効果的なインプットなどの重要性が提示された。

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© 1994 日本語教育方法研究会
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