どの言語にも多少なりとも男女による言語差が存在する。日本語における男女の言語差の研究の多くは、語彙、敬語、終助詞、文末表現などである。本稿では、二文の「接続」に焦点をおいた。逆接関係にある二文を接続する調査で、接続助詞ノニ、ガ、ケレドの使用状況において、男女に差が認められた。ノニの使用率では女性は男性のほぼ2倍あるいはそれ以上であり、ガの使用率では男性が女性のほぼ2倍あるいはそれ以上であった。ケレドはノニやガほど特定の傾向が認められなかった。ケレドは女性の丁寧さを好む傾向と関係があること、ノニはガやケレドより、より対比的、より感情移入が多いという意味用法の差を考えると、女性は男性より物事を丁寧に表現しようとする傾向がある、また対比的に、あるいは感情を移入して見る傾向があると言えよう。