2016 年 48 巻 1 号 p. 41-44
症例は15歳女児. 予防接種歴や先行感染の既往はなかった. サーフィン初級者で, 発症当日サーフィンの授業中に背部痛が出現し, その後急速に症状が進行した. 両下肢の脱力が出現し, 両下肢の弛緩性麻痺と知覚障害および膀胱直腸障害を認めた. 脊髄MRIにて異常信号域を認め, 脊髄梗塞による前脊髄動脈症候群と診断した. ステロイドパルス療法と免疫グロブリン大量静注療法を施行し症状は改善し, 後障害は認めなかった. 症例は急速な発症様式とMRI所見からsurfer’s myelopathy (以下SM) と診断した. SMはサーフィン初級者にみられる稀な疾患であるが, 近年報告が散見されており, その認知, 予防および早期対応が重要である.