日本地すべり学会誌
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研究ノート
活動中の地すべり地における中越地震発生時の移動および間隙水圧変動特性
岡本 隆松浦 純生浅野 志穂竹内 美次
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2006 年 43 巻 1 号 p. 20-26

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抄録
年間移動量が最大1m以上となる新潟県の再活動型地すべり地において, 10分間隔の自動観測結果から新潟県中越地震発生時の地すべり変位と間隙水圧変動を明らかにした。
地すべり地内の各観測点における変位量分布は, 地震時と降雨時の間で調和的であった。間隙水圧の変動は増減方向を含めて一様でなかった。土塊の変形分布と間隙水圧分布との関係を考慮すれば, 間隙水圧変動は地すべり土塊の局所的な圧縮および引張変形によって生じたと推察された。
一方, 地震前に活発であった地すべり移動が, 地震発生後に急速に沈静化する現象が観測された。沈静化現象は翌年の融雪期直前まで継続した。
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© 2006 公益社団法人 日本地すべり学会
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