地震時斜面崩壊に対して全国の道路ネットワークを維持・強化するためには, 我が国の多様な地質, 特に分布域の広い堆積岩に適用可能なリスク評価手法の開発が急務となっている。しかし, 従来の手法 (種平ほか, 2022) は2016年熊本地震を事例とした火山岩のモデルであり, 堆積岩は対象となっていない。そこで, 本研究では, 2004年新潟県中越地震を事例とした堆積岩のモデルを新たに構築し, 2008年岩手・宮城内陸地震を検証事例として従来のモデルと今回提案したモデルをそれぞれ火山岩と堆積岩の分布域に適用した。その結果, 適用するモデルによって崩壊発生数や発生場所の予測精度が大きく異なり, 提案したモデルは, 従来のモデルに比べて堆積岩地域で卓越した精度を有することが確認された。両モデルを地質条件に応じて使い分けることにより, 地震時斜面崩壊に対する道路ネットワークのリスク評価をより広域的に実施できる可能性が示された。
航空レーザー測量では, オリジナルデータからグラウンドデータの生成において, ある程度自動で抽出した後, 技術者による不要点の除去を行っている。このため, 地形解析などを行うには, 測量後, この除去作業時間を必要とした。そこで, オリジナルデータから自動抽出したデータ (地表近傍データと呼ぶ) に対してクリギング法を適用してグリッドデータを算出した。その結果, グラウンドデータを経て算定されたグリッドデータと比較して, 小崖や露頭等の通常の斜面では特異な微地形, かつ調査技術者が現地で確認したい場所の形状を適切に捉えられるグリッドデータを得ることに成功した。また, この方法は, グラウンドデータ作成のための技術者による目視点検を必要としないことから, 大幅な作業時間の短縮と労力の削減を行うことができた。