抄録
本論文は, 最大積雪深が3~5mに達する第三紀層の浅層地すべり地における土塊の変形機構を2年間にわたる変位量の観測結果から明らかにした。地すべりは春期から夏期にかけて不活発であった。しかし秋期から積雪初期にかけては, 降雨, 融雪に対する変位の応答性の向上によって地すべりの移動が活発化し, それにともなって土塊の引張変形が増加した。地すべりは厳冬期に一時停止したあと, 融雪期には土塊の変形をともなわずに緩慢に移動した。このような地すべり変形特性を規制する積雪の作用として, 1) 積雪荷重によるせん断強度の増加, 2) 積雪層のネット効果, 3) 積雪層の長期載荷によるすべり層の圧密化, が考えられた。