日本地すべり学会誌
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研究ノート
地すべり地末端の崩壊斜面における地盤変位の計測手法の開発
樋口 佳意藤澤 和範藤平 大大川 滋下村 博之坂田 岳生
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2008 年 44 巻 6 号 p. 385-392

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抄録
地すべり地末端の崩壊によって堆積した土砂は崩壊の拡大を抑えている可能性が大きく, 応急的に土砂を除去する場合でも斜面変動を監視しながら安全に作業する必要がある。また, 監視自体についても再崩落などの二次災害の危険性があるため, 斜面内に立入らずに遠隔から実施する必要がある。このような遠隔からの監視では, 比較的精度が高くプリズムなどの標的を必要としないことから, ノンプリズム型のトータルステーションを用いることが多い。しかしながら, 標的を使用しないため, 計測結果に客観性がない, 視準誤差が大きい, 緊急時にも関わらず夜間に計測できないなどの課題がある。
このようなことから, 筆者らは, 遠隔から斜面に設置できる標的とその設置方法を開発することにより, 観測機器の機械精度に限りなく近い精度で計測できる技術を確立した。本技術は, 再崩壊や被害の拡大が予想される斜面に遠隔から標的を設置し, その標的をトータルステーションにより視準することで地盤変位を精度良く計測しようとするものである。この標的は反射強度の高いガラスビーズ入りのペイントからなり, これを封入したカプセルをクロスボー (弓) の矢の先端に取り付けて, 安全な位置から崩壊斜面に向けて発射して設置することができる。また, 発射の仰角を制御する架台を利用することにより, 300m離れた目標点でも±30cm程度の精度で設置することが可能である。
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© 2008 公益社団法人 日本地すべり学会
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