抄録
2004年 (平成16年) 7月の新潟豪雨および10月の新潟県中越地震によって, 傾斜5度以上の丘陵地・山地に相当する中新世~更新世堆積岩類の斜面で起きた崩壊について, 25mグリッドのレベルで, 傾斜, 雨量, 最大加速度, 地質, 曲率, 地質構造, 斜面方位のGISデータを用いて判別分析を行った。判別分析によって, 各パラメータの崩壊に対する寄与を評価した。その結果, 傾斜は重要なファクターであるが, 豪雨による斜面崩壊では, 傾斜以上に日雨量の寄与が大きいこと, 西山階泥岩優勢タービダイト層と魚沼層では豪雨と地震に於ける崩れやすさが異なっていたこと, 曲率の寄与は豪雨で大きいこと, 地質と地質構造の寄与は地震で起きた大崩壊の場合大きいこと, 斜面方位の寄与には地域差があることなどが分かった。