2008 年 45 巻 2 号 p. 125-131
陸域観測技術衛星「だいち」に搭載された合成開口レーダー (SAR) は, これまでになく高い分解能で地表の変動を捉えることができる。能登半島地震に伴う地表変動を解析したSAR干渉画像には, 局所的な地表の変動を反映した微小な変化パターンが多数みられ, 地震動に伴うわずかな地すべり性の変動を捉えていることが明らかとなった。一方, 中越沖地震についても同様な解析を行ったところ, 地盤の沈下や側方流動を示唆するパターンが現れた。このように, SAR干渉画像は, さらなる変状の監視や防災対策立案のための, きわめて有効な情報を提供することが明らかになった。