日本地すべり学会誌
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論文
岩塊群崩落実験における岩塊個数と流下距離の関係について
岡田 康彦内田 一平落合 博貴松浦 純生
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2009 年 46 巻 1 号 p. 9-18

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抄録
約0. 1m角の花崗岩岩塊を最大で1000個 (体積にして約1m3) まで積層し, 乾燥または水で飽和の両条件下で岩塊群崩落実験を実施して流下距離について検討を加えた。本装置を用いた実験においては, 水で飽和の供試体では, 縦断方向の流下距離が乾燥の場合より約1割大きくなること, 崩落前後の重心間の等価摩擦係数は岩塊の個数と正の関係になることなどが示された。流下する岩塊群は間隙構造を形成せず岩塊群内部の圧力上昇が発生しないこと, 岩塊個数が多いほど流下中に非弾性衝突を頻繁に繰り返し運動エネルギーを減少させることを主たる要因として, 岩塊個数の多い供試体で運動範囲 (縦断方向の流下距離および横断方向への広がり) が抑制されると推定された。
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© 2009 公益社団法人 日本地すべり学会
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