2010 年 47 巻 5 号 p. 247-254
2008年岩手・宮城内陸地震では, 広範かつ多数の地すべりが発生した。震源近傍の荒砥沢では, 大規模な地すべりが発生するなどの甚大な地震被害が発生しており, 荒砥沢地すべりにおける地盤震動特性を考慮した強震動を精度良く推定することは非常に重要である。そこで本稿では, 経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法を用いて, 荒砥沢地すべりにおける強震動を推定した結果について報告する。その際, 余震観測記録に基づいて荒砥沢地すべりにおけるサイト増幅特性を設定し, 当該地震の波形インバージョンの結果を参考に特性化震源モデルを構築した。