抄録
新潟県出雲崎地域の1961年8月豪雨と2004年7月豪雨による豪雨の崩壊地の空間分布について, 高解像度のオルソ画像と2mDEMを用いて再検討した。その結果, 次の事が明らかになった。1961年豪雨の崩壊箇所の方が倍以上多かった。2004年崩壊は道路法面周辺の崩壊の比率が高かった (1961年豪雨4. 2%に対して16. 4%) 。2004年崩壊地の半分以上 (箇所数で70%, 面積率で54%) は, 同じ谷壁斜面に1961年崩壊がない新規の崩壊であった。新規の崩壊は, 同じ岩相内で地形条件が同じなら, 斜面内部の受け盤・流れ盤等の構造に関わらず, ランダムに発生する傾向があると推測された。1961年の崩壊地が拡大する形で崩壊した場合, 大部分は斜面上方の崩壊であった。西山層を除き, 拡大型の崩壊には柾目盤が目立つ傾向があった。