日本地すべり学会誌
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論文
平成26年8月広島土砂災害の土石流粒度構成の違いによる沖積錐の形成過程
稲垣 秀輝大野 博之磯部 有作
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2016 年 53 巻 5 号 p. 185-195

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抄録

 平成26年8月19日から20日にかけて発生した広島豪雨土砂災害は, 沖積錐上の民家に大きな被災をもたらした。筆者らは, この沖積錐に注目して土石流災害調査を行なった。今回の調査で, 背後の流域の地質の違いが粒度構成の異なる土石流堆積物を形成したことが推察され, 地質によって沖積錐の縦断形状が異なることがわかった。つまり, 花崗岩分布地域では砂や細粒のマトリックス分が多く, 沖積錐が緩やかで土石流が遠くまで達する。それに対して, ホルンフェルス分布地域では石分や礫分が多く, マトリックス分が少ないため沖積錐が急となり, 土石流が遠くまで達しない。今後, 防災・減災上の観点から, 都市での沖積錐上の土地利用を考えることが重要である。

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