日本地すべり学会誌
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総説
すべり面研究の最近の動向
中村 真也
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2017 年 54 巻 2 号 p. 37-45

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抄録

 地すべりの理解や地すべり災害の軽減・防止に繋げるため, 様々なすべり面研究がなされてきた。すべり面研究においては, すべり面土のせん断強度特性に関して特に多くの実績がある。近年においても, せん断強度測定装置の精度向上や改良, 新装置で得られた結果の活用により, 様々な新知見が得られている。また, 観測やサンプリングの技術向上, 各種観測・測定機器の低価格化等に伴い, すべり面土の成因, すべり面の構造的特徴や特定手法等に関し, 興味深い研究がなされている。本論では, これらの近年の研究成果をまとめていくつかの課題を示し, 「残留強度」の定義について再確認した。また, 今後進展が期待される研究テーマを示した。

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© 2017 公益社団法人 日本地すべり学会
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