2020 年 57 巻 2 号 p. 44-53
新潟県中越地方で2001年から2016年までに発生した地すべりの時空間データを用いて, 平成16年新潟県中越地震後の地すべりの分布特性を調査した。その結果, 川口北東部の約17km×17kmの範囲では, 地震前に比べ, 地震後に地すべりが多く発生したことが確認された。この地域で地震後に発生した地すべりの多くは, 地震時の最大加速度や推計震度が大きく, 地震時に地すべりが多発したエリアに分布する傾向を示した。また, 地震後の降雨期 (6~11月) に発生した一部の地すべりは, 発生直前の降雨量が地震前に発生した地すべりのそれより少なかった。さらに, 地震後に発生した地すべりの77%は発生面積1×103m2未満であり, 地震前, 地震時に発生した地すべりの面積に比べかなり小さい傾向にあった。