日本地すべり学会誌
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論文
大規模地震が降雨による斜面崩壊発生場の特性に与える影響
-熊本地震前後の阿蘇カルデラ壁における数量化Ⅱ類を用いた解析-
齋藤 はるか桂 真也梅谷 涼太林 真一郎
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2026 年 63 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

 大規模地震の直後は地震前より小規模な降雨でも斜面崩壊が発生することが知られているが, 大規模地震が降雨による斜面崩壊発生場の特性に与える影響を明らかにした研究は極めて少ない。本研究では, 平成28年熊本地震で強い揺れを記録した阿蘇地方のほぼ同一地域において, 地震前の降雨と地震後2回の降雨による斜面崩壊発生場の特性 (傾斜角, 曲率, TWI, 斜面方位, 地震の最大加速度) を数量化Ⅱ類により解析した。その結果, 地震後の降雨では, 震源断層の走向から地震動の影響をより強く受けたと考えられる斜面方位や地震時に揺れが増幅され脆弱化したと考えられる凸地形部, 最大加速度が大きかった斜面で崩壊しやすくなっていた。また, こうした地震が降雨による斜面崩壊発生場に与えた影響は, 地震後2ヶ月が経過しても残存していた。地震後降雨による斜面崩壊が発生する危険性が高い斜面を抽出する際は, 地震動の特徴を考慮する必要がある。

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