抄録
徳島県一宇地すべり地は, 三波川帯の結晶片岩地域にあり, 大歩危背斜の南翼部に位置している。
本地すべり地において屈折法による弾性波探査を実施した結果, 本域は崩積土層 (0.5-0.7km/s), 崩積土層を主体として一部基盤岩の風化部を含む層 (0.9-1.5km/s) および基盤岩 (3.7-4.5km/s) の三層から成っていることが判明した。なお, 基盤岩中には泥質片岩が風化した部分と考えられる低速度帯 (2.4-2.8km/s) が, 地すべり地中央部を横断している。
他に調査資料がないので, 求まった地下構造から基岩面をすべり面と仮定し, 滑動力の場所による変動の様子を調べ探査でえたP波速度の地域分布とあわせ検討した結果, 本域は大きく2つの地すべりブロックから成り, 降雨時に生じる地下水流が主たる誘因と推定された。