抄録
北海道小樽市朝里川地すベり多発地帯は, 主として, 新第三紀火山岩類から成り, 大別して三変質帯に区分される。すなわち, 変質帯の分布, 地質構造, 鉱物組合せから,(I) 酸性熱水溶液に関連するパイロフィライト-アルーナイト-カオリンの組合せ,(II) 弱アルカリ熱水溶液に関連する絹雲母-緑泥石の組合せを特徴とするもの, そして (III) 広域プロピライト変質である。地すベりは, すべて流紋岩類中の変質帯I, IIに限られ, N30°-WS30°E方向の弱線に沿って分布している。また, 変質鉱物の鉱物学的性質も地すべり現象に関与している。