2000 年 37 巻 2 号 p. 1-9_1
圧密定圧, 圧密定体積およびプレカット供試体による圧密定圧の3つの試験条件の下で繰り返し一面せん断試験を行い, 試験後のせん断面の層構造と粒子の配向性を定量的手法により評価した。
その結果, 主変位せん断面の配向度は, 累積水平変位48mmのとき, 定圧試験(M=97.3%)とプレカット定圧試験(M=99.2%)では, ほぼ100%で, かつペッドの最頻度配向方向がαmode=0°であることから, ペッドはせん断方向に完全配向していることが明らかになった。このように定圧試験とプレカット定圧試験において, 残留状態の配向条件を満たしている(主変位せん断面の完全配向)ことから, これらの試験条件に基づいて実施された繰り返し一面せん断試験結果から残留強度として妥当な値を得ることが出来る。