抄録
本論文の主目的は, 単純で直接的な公式と図表が, 実務における様々な斜面安定問題を解決するうえで大きな適用性を有する事実を, 事例を通して, 示すことである。これらの手法の基本的な部分の開発は大まかに言って1920年から1955年の間になされ, その後数々の改善が加えられてきた。これらの手法では全体としての平均状態のみが考慮されている。本文では単純平衡解析法 (SEA), 抵抗包絡線法 (RE), および安定図表法 (SC) と呼ばれる3つの手法を紹介する。
潜在地すべり土塊中の近似的な応力分布を調べる実用的手法が, 非円弧せん断面に対するスライス分割法と極限平衡原理を基礎として開発された。この手法は一般分割法 (GPS) と名づけられた (Janbu, 1957, 1973, 1996) 。本文ではGPSの表計算版を提示すると共に, これを1996年6月に発生したFinneidfjord地すべりの初期斜面の解析に用いている。それによると, GPS (法) の数値結果はSEA, RE, SC解析の結果に十分よく匹敵している。