2017 年 46 巻 2 号 p. 70-75
ステントレス弁を用いた大動脈弁置換術後,遠隔期に構造的生体弁劣化(structural valve deterioration : SVD)による大動脈弁閉鎖不全症をきたした連合弁膜症の1手術例を報告する.症例は85歳,女性.71歳時に大動脈弁狭窄症に対してFreestyle弁21 mmを使用し,modified sub-coronary法にて大動脈弁置換術を施行された.術後14年6カ月目にFreestyle弁のleaflet tearによる大動脈弁閉鎖不全症をきたし,心不全の増悪を認めた.リウマチ性僧帽弁狭窄症と三尖弁閉鎖不全症も合併したことから治療困難で手術を行った.Freestyle弁の弁尖を切除したところ,その交連部ならびに弁輪部は石灰化変性のため縫合糸の刺入は困難で,弁輪拡大術を行って,ステントレス弁下部のDacron cloth部にOPHV 16 mm AP弁を縫合して大動脈弁置換術を行った.同時に僧帽弁交連切開術と三尖弁輪縫縮術を施行した.