地すべり
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道路斜面における落石危険度評価手法の一提案
沖村 孝鳥居 宣之萩原 貞宏吉田 正樹
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2002 年 39 巻 1 号 p. 22-29

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抄録

現在行われている国道の道路斜面を対象とした道路防災総点検により, 落石危険箇所が指摘されている.危険箇所と判定された箇所に対して, 危険度を定量的に評価することにより対策優先順位の判定を行うことは重要である.このような背景から, 本研究では道路斜面における落石危険度評価手法を提案した。本手法の特徴としては, 1) 対象斜面における落石の崩壊メカニズムに応じた力学モデルを定義し, この力学モデルと地盤の不確実性を考慮した崩壊危険度評価を行っていること, 2) 落石が発生した場合に道路へ到達する確率とそれに伴い生じる損失により定量的な道路被災度評価を行っていること, 3) これらの評価を総合評価することにより道路斜面の落石危険度を定量的に評価することができることが挙げられる。本手法をある国道に適用した結果.定量的な道路斜面の危険度評価手法としての有用性を示し, さらに防災対策優先順位判定の判断基準として総合評価結果を用いることが有効であることを示した。

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© 社団法人日本地すべり学会
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