日本地すべり学会誌
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日本列島における地すべり地形の分布・特徴
藤原 治柳田 誠清水 長正三箇 智二佐々木 俊法
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2004 年 41 巻 4 号 p. 335-344

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抄録
既存の地すべり地形分布図と1/2.5万地形図の新たな読図結果を編集して, 日本列島全体の地すべり地形分布図を作成した。分布図では奥行きが約200m以上の地すべり地形を対象として作成した。分布図をみると地すべり地形は日本の山地・丘陵に広く分布し, とくに東北地方背弧側, 信越, 北陸, 四国で密に分布する。次に地すべり地形の分布と地形, 地質との関連性をGISを用いて統計的に解析した。
解析には2km四方のメッシュで作成された地すべり地形, 地質, 起伏量, 傾斜量のデータを用いた。統計解析に用いたメッシュの数は約71000個であり, そのうち43%のメッシュは地すべり地形を含む。ひとつのメッシュの中で面積40%以上が地すべり地形で占められているメッシュを多地すべりメッシュと呼び, これは2602個 (全体の3.7%) ある。地すべり地形が多い地質区分は, 新第三紀海成堆積岩, 中新世火山岩類 (グリーンタフ火山岩類), 古第三紀~新第三紀挟炭層である。起伏量が200~600m, あるいは平均傾斜が15°~30°の山地では地すべり地形の分布密度が高い。
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© 社団法人日本地すべり学会
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