日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
Print ISSN : 1348-3986
ISSN-L : 1348-3986
地すべりの運動特性を考慮したリスクマネジメントに関する一考察
奈良県大塔村で発生した地すべり道路災害を例として
野村 康裕藤澤 和範
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 42 巻 6 号 p. 467-474

詳細
抄録
本研究は, 滑落までの調査データの揃った奈良県大塔村で発生した地すべりによる道路災害を例に, 地すべり現象の運動特性と災害の特徴を整理し, リスクマネジメントの概念を地すべりへ適用した。災害発生後の危機管理としての地すべり被害軽減には, 綿密な現地調査に基づく崩壊予測が有効であることを示した。現状では事前のリスク管理の認識が希薄であることを指摘し, 地すべりリスクマネジメントの実施フローを提案した。地すべり災害の間接的影響の1つである風評被害による周辺地域の観光損失を約15億円と試算し, 直接的影響に加えて間接的影響も地すべりリスクマネジメントの重要な要素であることを示した。
著者関連情報
© 社団法人日本地すべり学会
前の記事 次の記事
feedback
Top