日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
Print ISSN : 1883-857X
ISSN-L : 1883-857X
特集:下肢慢性創傷の感染管理
糖尿病性潰瘍における感染の評価法と外科的治療
佐藤 智也市岡 滋
著者情報
ジャーナル 認証あり

2015 年 7 巻 1 号 p. 40-47

詳細
抄録
要旨:感染による切断を防ぐには,軽症である段階で治療を開始し中等症以上に悪化する前に治癒させることが重要である.クリティカルコロナイゼーションの創はメンテナンスデブリードマンと抗菌性ドレッシングで治療する.クリティカルコロナイゼーションは評価が難しく,確立された診断基準はない.現状では臨床所見や検査結果,創部の経過などを総合的に評価して判断せざるを得ない.糖尿病性潰瘍を扱う上で,常にクリティカルコロナイゼーションの可能性を考慮に入れ,疑わしい症例はタイミングを逃すことなく治療を開始する必要がある.感染した症例では重症度に応じて入院させるか,緊急手術するかを判断する.また中等症から重症感染症を生じている場合は緊急性が高く,早急なデブリードマンが必要である.治療の遅れがそのまま大切断につながるため,タイミングを逸することなく早急に外科的デブリードマンと抗生剤投与を行う.
著者関連情報
© 2015 日本下肢救済・足病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top