日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
Print ISSN : 1883-857X
ISSN-L : 1883-857X
原著
操作が簡単なレーザースペックルフローグラフィー(LSFG,下肢血流測定器)の使用経験
~痛みがなく,4秒で撮れて且つカラーマップで示される血流計~
大浦 武彦大浦 紀彦松井 傑内山 英祐
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ジャーナル 認証あり

2015 年 7 巻 3 号 p. 173-184

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抄録
レーザースペックルフローグラフィー(LSFG)は血流を測定したい皮膚面に波長830nmの近赤外光を照射すると,表面より1mm程度の深さまで浸達する.レーザー光は組織内を流れる赤血球によって散乱し,ランダムな斑点模様となり動きをとらえることができる.測定時間は4秒.血流マップは毎秒30コマの動画で示される.表示される数値は単位のない相対値である.しかしこれを下肢の血流測定に応用すると変化が一目瞭然であり,Angiosomeは3本の下肢動脈の血流状態を表すのでその変化を推定できる.臨床応用における長所:(1)非接触性で痛みがない,(2)誰でも測定できる,(3)いつでも測定できる(手術中でも手術前後でも連続的に測定できる),(4)下肢は3本の動脈で支配されているが,この支配領域の血流を測定することによりその供給源の支配動脈が閉塞しているか閉塞していないかを推定できる,(5)ABIとある程度の相関がある,(6)出てくる数字は相対値であるが,下肢血流不全の状態と健常者をある程度区別することができる.
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© 2015 日本下肢救済・足病学会
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