抄録
下肢救済は多職種の介入が重要であることは広く認識されているが,残念ながらその “多職種” のなかで臨床検査技師の存在が認識されていることは少ない.当院でも以前は看護師が中心となってアセスメント・ケアを行い,その結果医師の指示で検査技師がABI検査を行い結果を提出するという受動型のかかわりであった.しかし下肢の種々の検査結果は重要で患者の治療計画を左右するといっても過言ではない.加えて下肢救済認定師である検査技師の役割は,その専門性を駆使し精密・正確・迅速な検査結果を提出することはもちろんであるが,得られた結果から医師・看護師に診断・ケアの補助となりうる助言を積極的に行うことで患者にとって最適なタイミングで重症化を早期発見できるゲートキーパーとしての働きが重要である.