2005 年 13 巻 1-2 号 p. 55-66
日本企業が米国から紹介されたマネジメント理論を導入する際に困難が伴うことを踏まえ,日本企業のマネジメントコントロールがもつコンテクストとはいかなるものであり,どのように変化しようとしているかを質問紙調査,インタビュー調査,事例研究などから仮説探索的に検討した.結果として,従来,長期的な心理的契約を構築することに寄与してきた人事管理システムの変化により,マネジメントコントロールの2分割構造は変わりつつある.業績評価システムは,両者をつなぐ役割を果たし,新しいコンテクストの移行に影響を与えることもできよう.