管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌
Online ISSN : 2434-0529
Print ISSN : 0918-7863
最新号
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特別講演
  • 櫻井 通晴
    2020 年 28 巻 2 号 p. 3-24
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    政府は2016年6月に,コーポレートガバナンス・コードを発表した.そのコーポレートガバナンス・コードの理論的支柱の1つが2014年8月に公表された「持続的成長への競争力とインセンティブ―企業と投資家の望ましい関係構築―」(以下,「伊藤レポート」)である.伊藤レポートでは,日本企業の経営者は「最低限8%を上回るROEを達成することに各企業はコミットすべき」であると提言した.本稿の目的は,この伊藤レポートに従って日本企業がROE 8%を上回る目標を設定することの是非を明らかにするとともに,日本企業が今後取るべき対策を提案することにある.

論壇
  • 澤邉 紀生
    2020 年 28 巻 2 号 p. 25-35
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    マネジメント・コントロールの展開と今日的課題について,多様性に富んだ3つの統一論題報告を,鍵概念として活用しているマネジメント・コントロール概念,分析枠組みとして利用している理論,研究対象としている管理会計現象の3つの観点から整理した.その結果,三者三様ではあるが,マネジメント・コントロール概念を拡張し,研究対象とすべき範囲を拡大することで時代の変化に対応した重要な知見が得られる展望が拓かれた.

  • 浅田 拓史
    2020 年 28 巻 2 号 p. 37-51
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,株式会社小松製作所における経営改革の事例を手がかりとして,自律創造型コントロール(enabling control)の視点から,コントロールのあり方が会計担当者の役割にどのような影響を与えるのかについて考察する.自律創造型コントロールの下では,経営者と従業員のそれぞれの視点から見た透明性を実現するために,両者を媒介する会計担当者の役割が重要となる.そこで求められるのは,両者の間で情報を変換する翻訳者としての役割だけではなく,現場マネジャーに情報の使い方を教育し,より使い勝手の良い情報を提供するようなコントロール・システムを開発する役割が重要となる.このようにして,自律創造型コントロールの下では,より高度な会計専門家としての役割が求められるようになることを論ずる.

  • 青木 章通
    2020 年 28 巻 2 号 p. 53-67
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,サービス提供プロセスにおいて価値共創を効果的に実現するためにはどのようなマネジメント・コントロール・システムの設計及び運用が有効であるかを考察した.価値共創プロセスを支援するMCSについては,価値共創の対象は顧客と直接的にコンタクトを行うスタッフでありミドル・マネジメントではないこと,マネジメント・コントロールの手段を幅広く捉えることが有用と考えられることから拡張されたアプローチでマネジメント・コントロールを認識することが望ましい.価値共創においては,上位者から下位者へのMCSの一貫性と社内(従業員)と社外(顧客)に対するコントロール一貫性の両方を考慮すべき点にマネジメント・コントロールの新たな拡張の可能性を見出すことができる.

  • 伊藤 克容
    2020 年 28 巻 2 号 p. 69-90
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,「両利きの経営」という鍵概念をもとに,高次学習と低次学習を両立させるために必要なマネジメント・コントロールの要件について検討した.具体的には,以下の3つの異なる問題領域が確認できた.1つめは,現行事業を効率的に実行するためのマネジメント・コントロールである.新規事業創出に必要な探索活動のための資源を確保しなければ,始まらない.2つめは,新規事業内部で用いられるマネジメント・コントロールの整備が必要である.多くのスタートアップが急成長を遂げ,リーンスタートアップをはじめとする運営ノウハウが蓄積され,体系化されている.3つめは,探索と活用との間の最適資源配分,全体の構造設計に関する問題領域である.特に,新規事業創出のための活動は社内でも実施できるし,成果を外部から購入することもできる.全体として,どのようなポートフォリオをつくり,維持していくかを適切にコントロールする仕組みが必要である.

事例紹介
  • 竹本 隆亮, 小林 重道, 奥迫 仁則, 大西 淳也
    2020 年 28 巻 2 号 p. 91-107
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/04/15
    ジャーナル 認証あり

    国税庁の各国税局では,標準的な事務運営として,事務日誌による事務量把握と事務改善提案制度が行われている.国税庁の事務運営と管理会計の諸概念との類似性については,これまでも指摘されてきていた.国税庁の一地方局である広島国税局(中国5県50税務署を所管)では,2014(平成26)事務年度以降,この標準的な事務運営をベースに,「人日管理」と称する事務量マネジメント(活動基準管理(ABM)を意識)を導入し,ミクロの事務運営として事務改善提案を最大限活用して標準を意識した事務改善活動を行いつつ,マクロの事務運営として各税務署において1枚紙に描いた組織戦略(戦略マップやロジックモデルを意識)に基づいた事務運営を行っている.加えて,確定申告事務のスリム化等の取り組みも併せて講じてきている.これらはいずれも相当の成果を得てきているところである.本報告は,広島国税局の管理会計実践の中心メンバーによる,足掛け6年にわたる管理会計実践についての報告である.

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