抄録
本稿では,連携成立の可能性を高めるためのコミュニケーションマネジメントを効果的にする診断方法を基に作成した診断ツールを用いて,診断方法の実践的価値を検討し,診断方法の改善点および限界について明らかにすることを研究課題とする。研究課題の実現に向けて,診断ツールの視点・構成の適切さ,有効性について複数の組織運営者を対象に,診断ツールの使用と診断ツールの内容を把握し過去の連携事例を想定したうえでの評価の二通りで事例研究を実施した。その結果,診断方法に関して一定の妥当性および実践的価値が確認された。診断方法の改善点としては診断実施において追加で考慮すべき要素,診断方法の限界としては診断ツールが有効ではない状況等が明らかとなった。