近年,生産年齢人口の減少に伴う人材の価値増加やSDGs, ESG投資への世界的関心の高まりから従業員の健康はコストではなく,将来への投資との考えに変化している。そのなかで健康経営という経営手法が注目されている。しかし現状,中小企業では認知度が低く,じゅうぶんに浸透していない。そこで本研究では中小企業で健康経営が浸透しない要因を,経営課題と健康施策が必ずしも結びついていない点にあると考え,アンケート調査をもとに実証することを試みた。結果,健康経営を実施している中小企業は,健康経営を意識的に実施していない中小企業と比較して,健康づくり施策を当該企業の経営課題と結びつけている可能性を示した。本研究結果により,健康経営を実施していない中小企業においては,健康経営と経営課題が必ずしも結びついておらず,経営戦略として健康経営を実施する必要性が認識されていないと推測された。
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