抄録
本論文の目的は,岐阜県のA社における中国人研修生・技能実習生,彼らとともに働く日本人従業員を対象に,改善や品質管理に関する会社や職場での意識と,日本人従業員と中国人研修生・技能実習生との協働の関係を踏まえた上で,分業体制への改善に関する日本人従業員の意識を明らかにしていくことにある。外国人研修生・技能実習生を対象とした研究のほとんどが彼らへの聞き取り調査を中心としており,質問紙調査を用いた研究が極めて少ないこと,また協働する日本人従業員の意識に焦点を当てていないことから,本論文による結果は,中国人研修生・技能実習生を雇用する企業に何らかの示唆を与えることができると考える。