抄録
歩行者通行量の測定は,街の「賑わい」(活性化)を把握するための最も基本的な方法であり,多くの自治体が採用している。しかし,これまでの方法では地域間比較ができないなどの限界が指摘される。本報告では,従来法を補完,もしくは代替すると思われる新たな三つの方法について,尼崎市中心市街地を対象として試験的に適用し,そこで得られた「活性化指標」について,その有効性や限界を確認した。また指標は,単に賑わっているかどうかということを定量的に示すのみならず,賑わい状態のより詳細な情報を提供することで現状の要因分析を行うことや,諸条件を変化させることによる将来への影響をシミュレーションするような用途を想定し検討した。