2016 年 16 巻 p. 54-60
近年の低成長時代の日本においては,医療機関での入院中心の医療から,住み慣れた地域での在宅医療および在宅介護へ移行することが重要な課題となっている。本研究では,愛知県豊田市において中核病院を退院する患者に着目し,地域包括ケアシステムにおける退院後の患者の流れを明らかにした。その結果,退院後の患者の流れを,地域包括ケアにおける在宅医療推進の一つのマネジメント指標としてモニタリングすることにより,関係者全員で在宅医療推進のボトルネックの所在を確認・共有し適切な対策を実施することの重要性について主張した。