19世紀半ばまで,ラグビーはサッカーと並び「フットボール」として,イングランドで愛されてきた。プレー規則をめぐり二つのスポーツは袂を別った。ともにエリートのスポーツとして始まったが,サッカーは労働者階級のスポーツへ,それを嫌った上中流階級はラグビーに移っていった。ラグビーは,アマチュアリズムに頑なに執着したことがプロ化へ遅れをとった原因であった。ラグビー・ユニオンがスポーツのプロ化,グローバル化の波から人気面で取り残されるなかで,ようやくプロ化したのは,サッカーのプロ化に遅れること100年,1995年であった。ラグビーについては,経営学的分析はほとんどない。歴史も含めて,ラグビーの歴史,外部環境,そして今後の方向性について論じる。