抄録
地域医療で重要な役割を果たす中堅中小病院は, 資金調達の多様化のために私募債を発行している。信用リスクの観点では, 地域ステークホルダーの協力なしでは調達できない規模である。効率的な医療体制の構築が求められる中で, 病院は 「施しの医療」 から 「顧客本位のサービス業」 に脱皮する必要がある。私募債は, 「地域振興に貢献できる病院」 とのコンセプトに病院役職員のベクトルを集約し, 地域とのコミュニケーションを図る手段として, 企画・実行することに意味がある。しかし, 調達の中心はあくまで, 資金状況を熟知した銀行借入で賄うべきであろう。