抄録
経営診断学の進化をニューフロンティアの視点から捉え, 論点は (1) 経営診断学の未開拓分野 (2) 経営診断の方法ならびに対象の体系 (3) 経営診断基準 (4) 経営診断の質の4つの軸からなる。特にinterdisciplinaryな学としての特性から, 関連諸科学の導入研究が重要であり, 臨床的な学のため, 経営諸事象のデータベース化が必須で, それを分析用具とした診断事例がデータとして還流し, その蓄積が診断基準の要素として整序され, 「経営診断の質」 を支えるという診断の質論は, 診断基準論とともに本論の中核をなす。