マーケティング史研究
Online ISSN : 2436-8342
特集論文
マーケティングにおける歴史研究の意義
―経営史研究の視点から―
川邉 信雄
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 1 巻 1 号 p. 18-35

詳細
抄録

 本稿の目的は,マーケティングにおいて歴史研究がなぜ必要なのか,その意義を明らかにすることである。とりわけ,従来からマーケティング史研究と密接な関係を有してきた経営史の視点が,マーケティングにおける歴史研究の発展に多大な貢献ができることを示唆している。そのため,経営史研究の分析においてよくみられるように,近代的なビジネス・システムの発展を4つの時期に分け,各時期における経営環境の変化とビジネス・システムの変容,それらに対応したマーケティングの特徴,変化の原因,過程,帰結を概観している。

 こうした長期にわたるマーケティングの変化を考察する歴史研究によって,マーケティングの一般化・理論化の意味が明らかになり,斯学の存在価値と今後の発展をもたらすことができる。同時に,マーケティングの歴史研究の分析・説明方法は,マーケティング実践者にとっても,日々の意思決定や行動において有意義なものとなる。

著者関連情報
© 2022 マーケティング史学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top