Journal of Mammalian Ova Research
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原著論文
非刺激周期未熟卵子体外受精胚移植法における HCG投与の影響
西垣 明実福田 愛作當仲 正丈西原 卓志山崎 雅友森本 義晴
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2002 年 19 巻 2 号 p. 55-60

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抄録

非刺激周期未熟卵子体外受精胚移植法(IVM-IVF)により我々は妊娠,出産に成功している.しかし,その妊娠率は満足すべきものではない.近年,ChianらによりHCG投与によるIVM-IVFの妊娠率向上が報告された.そこで我々は採卵36時間前のHCG投与により,採卵数,成熟率,受精率,分割率,胚発育,妊娠率が改善されるかどうかを検討した.HCG投与群36症例(42周期),HCG非投与群88症例(119周期:コントロール)を対象とし,規則月経周期症例,不規則月経周期症例とPCOS症例の3群に分けretrospectiveに比較検討した.規則月経周期症例,不規則月経周期症例で平均採卵数と成熟率がHCG投与により有意に上昇したが(p<0.05),PCOS症例では差は認められなかった.他のパラメーターではHCG投与群とコントロール間に統計学的有意差は認められなかった.今回の検討ではHCG投与により一部の症例で採卵数と成熟率の改善がみられたが,妊娠率の上昇には至らなかった.

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© 2002 日本卵子学会
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