Journal of Mammalian Ova Research
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最新号
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総説(特集:生殖医学の新技術)
  • 河村 和弘, 大津 英子
    2014 年 31 巻 4 号 p. 95-
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
  • 藤田 陽子, 島田 昌之
    2014 年 31 巻 4 号 p. 96-101
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    精子の凍結では,融解後の運動性は動物種や個体間で大きな違いがある.したがって,安定的に良好な凍結精液を作成し受精に用いるため,動物種毎に最適化した精子凍結法を開発しなければいけない.さらに,凍結精液技術は,精液処理,凍結,融解に区分されることから,それぞれの工程を最適化する必要がある.我々は,凍結前処理では,精液中の細菌性内毒素に着目し,ヒトではIsolate法,ブタでは中和剤の添加を行った.また,凍結時には,高張液によって効果的に脱水を行うことにより,凍結保護剤であるグリセロール濃度を可能な限り低くすることが可能となることを示した.これらの凍結方法により,融解直後の精子運動性を向上させることができたが,長時間培養後には著しく運動性が低下した.その原因として,融解直後の精子細胞膜からのCa 2+の流入が,一過的なキャパシテーションを誘導していることが明らかとなった.そこで,Ca 2+キレート剤を融解液に添加した結果,Ca2+の流入を防ぐことにより急激な運動性の上昇が抑制され,長時間にわたって運動性が維持された.これらの凍結,融解方法を用いることにより,融解後の精子の精子細胞膜を保護,運動の持続性,精子DNA断片化率の低下に成功した.ブタにおいては.人工授精での受胎率の増加が認められており,ヒトでもその応用が期待される.
  • 河村 和弘
    2014 年 31 巻 4 号 p. 102-106
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    卵巣内に存在する原始卵胞は生体内においては再生・増殖せず,加齢もしくは特定の原因により減少する.残存卵胞数が限界値以下となると,卵胞発育の最初の過程である活性化が障害され,引く続く卵胞発育がおこらず無排卵,無月経となる.原始卵胞の活性化機構は現在も不明な部分が多いが,われわれは細胞内シグナルに着目し,薬剤を用いてPhosphoinositide 3-kinase (PI3K)-Akt-Forkhead box O3 (Foxo3) 経路を活性化することで卵胞の人為的活性化に成功した(IVA; in vitro activation).卵巣内の残存卵胞数減少により無排卵,無月経となった早発卵巣不全患者に対して,IVAを臨床応用することで成熟卵子を産出し,体外受精胚移植にて妊娠・分娩に成功した.本稿ではIVAによる不妊治療について概説する.
  • 福永 憲隆, 浅田 義正
    2014 年 31 巻 4 号 p. 107-114
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    現在,生殖医療分野で脚光を浴びているImaging機器はImagingと培養を同時に行うことを想定したTime Lapse Imaging-Incubator Systemである.この機器の将来性には2つあり,一つ目にこれまで見ることができなかった胚発生の一部始終を画像として観察することができ更にTime Pointを解析することによって胚発育をこれまでの一時点でのみの形態観察以上の情報を得ることができる.2つ目に胚の観察を画像で行えることから顕微鏡での直接観察を必要とせず胚発育の一連の培養期間を空気中に一切曝すこと無く,低酸素環境を維持した連続観察・連続培養を実現することができる.
  • 熊迫 陽子, 城戸 京子, 大津 英子, 宇津宮 隆史
    2014 年 31 巻 4 号 p. 115-122
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/29
    ジャーナル フリー
    現在,日本の大多数の施設で用いられているガラス化凍結方法は,胚を直接液体窒素に接触させるオープン法であり「超急速冷却ガラス化法」と呼ばれている.これに用いる容器は冷却器具としては能力が高いが,液体窒素からの汚染が考慮されていないまま使用されているのが実情である.直接液体窒素に胚を触れさせないクローズド法は,従来から用いられてきた0.25 mlプラスティックストローを用いた方法が一般的であるが,最近,より冷却速度を高めるため工夫されたクローズドシステムが開発されるようになった.そこで,0.25 mlストローとRapid-i™を用いて胚盤胞を凍結し,融解後の成績を比較した.その結果,Rapid-i™使用群において融解後の生存率,移植後の継続妊娠率が高い結果が得られた.「冷却速度の高速化」と「液体窒素からの汚染の予防」の二つの必要性に適った保存容器を今後,積極的に使用していくべきであると思われた.
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