Journal of Mammalian Ova Research
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原著
ウシ由来ヒアルロニダーゼとリコンビナントヒアルロニダーゼを用いたICSI成績の比較
古橋 孝祐後藤 栄橋本 洋美松本 由紀子苔口 昭次塩谷 雅英
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2010 年 27 巻 2 号 p. 61-64

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抄録

ICSI前処理に用いるリコンビナントヒアルロニダーゼはウシ由来ヒアルロニダーゼと比較し,ウィルス感染の危険性がない等の利点が報告されている.卵子裸化処理にウシ由来及びリコンビナントヒアルロニダーゼを使用し前方視的に成績を比較検討した.2008年8~12月に卵子が4個以上回収でき,ICSIを行った39症例,376個の卵子を対象とした.対象症例の卵子を2群に分け,A群はウシ由来,B群はリコンビナントのヒアルロニダーゼを使用した.裸化時間においてB群(67.3秒/個)はA群(59.9秒/個)と比べ長い傾向(P = 0.067)を認めた.A群とB群でそれぞれ,受精率は70.9%と68.0%,変性率9.5%と7.8%,分割率92.4%と97.1%,良好分割期胚率63.9%と71.3%,胚盤胞発生率41.7%と45.7%,Day5における良好胚盤胞率25.0%と44.8%であり有意差を認めなかった.

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© 2010 日本卵子学会
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