哺乳動物卵子学会誌
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胚盤胞形成過程におけるウシ培養胚の割球接合に関する研究
四谷 伊公子柳 在雄松本 浩道菅原 七郎新村 末雄石田 一夫
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1993 年 10 巻 2 号 p. 152-160

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抄録
ウシ培養胚 (16細胞期から胚盤胞期) について、接合装置の状態を電顕的に、また、アクチンとサイトケラチンの局在を組織化学的にそれぞれ観察した。16細胞胚と桑実胚では、割球問にギャップ結合が稀にみられた。初期胚盤胞では、栄養膜細胞同士の間には閉鎖帯、デスモソーム前駆体およびギャップ結合が観察されたが、栄養膜細胞と内細胞塊細胞の間および内細胞塊細胞同士の間にはギャップ結合がみられる程度であった。拡張胚盤胞では、栄養膜細胞同士の間には閉鎖帯、接着帯およびデスモソームが、栄養膜細胞と内細胞塊細胞の間および内細胞塊細胞同士の間にはデスモソーム前駆体がそれぞれ認められた。また拡張胚盤胞では、すべての細胞間にギャップ結合がみられた。一方、アクチンとサイトケラチンの存在を示す蛍光は、観察したすべての時期の胚の細胞質にみられ、胚盤胞の栄養膜細胞では強くなって細胞膜直下に局在していた。
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© 日本哺乳動物卵子学会
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