日本企業の多くは理念型経営を実践することで発展してきた。しかし未だその実態についての議論は十分とは言えない。実務や個人の視点での理念浸透の研究は数多く行われてきたが、組織体における理念型経営の本質に言及した研究はまだ多くない。本稿では、オムロンと京セラの2社の事例を通じて、創業者精神を源泉とした理念型経営を考察する。そして、理念型経営の実践をモデル化した表明(statement)・体現(embodiment)・習得(learning)というSELサイクル構造を提案する。加えて、このSELサイクルを活用して今後の定量調査のための測定項目も開発する。本研究を通じて、源泉と構造の分析及び測定指標の開発を行うと同時に、学術的な理念型経営の本質に少しでも近づくよう検証する。