経営哲学
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特集 新しい協働の経営哲学
「新しい協働」と自分らしさ ― ジョブ・クラフティング研究に基づく検討 ―
高尾 義明
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2026 年 22 巻 2 号 p. 42-50

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【要 旨】

本稿は、多様な「働き手」や「働き方」が受容される現代における「新しい協働」のあり方を、ジョブ・クラフティング(JC)の観点から検討する。JCから検討するのは、JCが個人が自らの仕事の境界を能動的に変更し、仕事における自分らしさやオーセンティシティ(authenticity at work)を高める方略と捉えることができるためである。既存研究は、JCがワーク・エンゲイジメント、仕事の意義、ウェルビーイング、パフォーマンスなどに正の効果をもたらすことを示してきた。しかし近年の知見は、すべてのJCが望ましい結果をもたらすわけではなく、特に回避志向/予防焦点型のJCが職務満足やエンゲイジメントを低下させたり、同僚の負荷増大やコンフリクトを招いたりする可能性を明らかにしている。また、接近志向/促進焦点型のJCであっても、過度な自己志向性や抱え込みが周囲から否定的に受け止められるリスクも指摘されている。こうした副作用への対応として、上司や組織による「共有支援」や「方向づけ支援」を通じたJCのマネジメントが今後重要となる。さらに、新たな概念として提示された協同志向JCは、他者の強みや動機を踏まえて仕事の境界を共同で再構築するものであり、「私たち」を活かす協働の実現につながる可能性を秘めている。以上のように、本稿では、JCを個人の自発的行為にとどめず、協働やマネジメントの視点から再検討することで、多様性を反映した「新しい協働」の展開に向けたJCのあり方が提示される。

1.はじめに

経営哲学学会第41回全国大会の統一論題趣旨文にあるように、最近では、「『働き手』や『働き方』の多様性が受容・推進され、日本企業は、これまでとは異なる新たな協働のあり方が問われ求められている」。本稿では、そうした「新しい協働」のあり方として、仕事においても自分らしくありたいという働き手のニーズが高まっていることに注目する。こうしたニーズの拡大は、「働き手」の多様性を仕事に反映させようとすることや、「働き方」の多様性を業務遂行レベルでも拡大させることにつながりうるからである。そうした仕事における自分らしさの希求の現れの一つとして近年注目が高まっているジョブ・クラフティング(job crafting、以下ではJCと略記)に注目し、関連研究を参照することを通じて「新しい協働」のあり方に対する示唆を提示することが本論文の狙いである。

第2節では、JCが仕事における自分らしさの希求に関わる概念であることを確認した上で(2.1)、JC概念が提唱された背景やその形態、JCがもたらすポジティブな効果などを紹介する(2.2)。第3節は、近年の研究で指摘されるようになった、JCがもたらしうるネガティブな効果を、回避志向/予防焦点型のJCによるもの(3.1)と周囲にもたらす影響(3.2)に分けて取り上げる。そうしたJCの副作用の指摘を踏まえ、第4節では、JCのマネジメントの必要性を示した(4.1)上で、協同志向JCという概念が展開されることへの期待を提示する(4.2)。第5節ではこれまでの議論を要約した後、協同志向JCの経営哲学的基礎づけとして、フォレットによって提唱された「経験の交織」概念を参照することの有効性について言及する。

2.ジョブ・クラフティングの定義とそれがもたらすポジティブな効果

2.1 仕事における自分らしさとジョブ・クラフティング

先に挙げた仕事における自分らしさに該当する概念の一つとして、authenticity at work(以下ではAAWと略記)を挙げることができる。欧米の経営学では、AAWへの注目が近年高まっている(cf. Cha et al. 2019)。AAWとは、仕事の場において本当の自分と一致するように行動していると感じられる程度を指すが (van den Bosch & Taris 2019)、AAWが高いことは仕事における自己実現を促進し(Maunz & Glaser 2023)、ウェルビーイングに正の影響があり(Ménard & Brunet 2011)、職務態度やパフォーマンスを改善する(Cable et al. 2013)といった望ましい効果をもたらすことが知られている。

本稿で注目するJCは、AAWをみずから高める方略の一つと捉えることができる。JCとは、概念提唱者であるWrzesniewski and Dutton(2001)によって「個人が自らの仕事のタスク境界もしくは関係的境界においてなす物理的・認知的変化」と定義され、仕事上のアイデンティティや仕事の意味の変化とかかわるものとされた。Kira et al. (2012)は、合併時のような、仕事上のアイデンティティと仕事との不整合に直面した際、従業員がAAWを(再)確立するためにJCに取り組むことを示した。さらに、Garrett (2024)は、JCによって仕事の役割によって課される行動や相互作用の制約的性質に対処することで、AAWを高めることができることを指摘している。このように、JCを仕事における自分らしさの希求に関わる概念と捉えられる。

2.2 ジョブ・クラフティングがもたらすポジティブな効果

JCは、組織行動論以外では必ずしも知られているわけではないため、議論を進めていく前にJCに関する説明を加えておくことは有益であろう。

「JC」は、ジョブデザイン論、とりわけ職務特性が内的ワーク・モチベーションに影響を与えるという職務特性モデル(Hackman & Oldham 1980)を批判的に継承して提唱された。職務特性モデルでは、マネジャーが職務をデザインし、従業員はそれを受け入れる受動的な存在であることが暗黙の前提とされていた。それに対して、従業員自身が職務そのものやその社会的環境を自ら変更している側面に光を当てようとして、Wrzesniewski and Dutton(2001)はJC概念を提唱した。そして、JCの具体的な形態として、先の定義におけるタスク境界の変化/関係的境界の変化及び物理的変化/認知的変化とほぼ対応する、タスクそのものを変化させるタスク・クラフティング、タスクの社会的環境である人間関係を変化させる関係性クラフティング、仕事に対する認知を変化させる認知的クラフティングの3つを挙げている。さらに、彼女らは、図1のようなモデルを提示することでJCが仕事の意味や個人のワーク・アイデンティティの変化を導くと主張した。

図1 Wrzesniewski and Dutton(2001)におけるジョブ・クラフティングのモデル

出所:Wrzesniewski and Dutton(2001)Figure1(p.182)を修正して筆者作成

JCに関する研究はその後、複数のアプローチ 1)が取られることによって急増し、それがもたらす効果についても多くの実証研究がなされている。最も取り上げられてきたのはワーク・エンゲイジメントとの関係である。多くの研究によって、JCとワーク・エンゲイジメントとの間に有意な正の関係が示されてきた(cf. Rudolph et al. 2017)。また、仕事の意義深さ(e.g. Geldenhuys et al. 2020)やウェルビーイング(e.g. Slemp & Vella‐Brodrick 2015)についても、JCとの正の関係が見いだされている。

それらの他にも、職務満足、パフォーマンス(自己評定/他者評定)や文脈的業績などのさまざまな変数とJCとの関係性が検討され、総じていえばJCとそれらの結果変数との間には正の関係が見いだされている(cf. Zhang & Parker 2019)。

このように、JCを通じて自分らしさを追求することがワーク・エンゲイジメントやウェルビーイング、さらには業務パフォーマンスの向上につながるとすれば、働き手がJCの実践を通じて自分らしさを発揮しようとする「新しい協働」には明るい未来が待ち受けているのだろうか。

3.ジョブ・クラフティングがもたらしうるネガティブな効果 2)

先に紹介したような研究蓄積をもとに、JCの実践がポジティブな効果をもたらすという理解が学術界及び実務界において広まったが、その一方で、以下で紹介するように、近年の精緻な検討ではすべてのJCがポジティブな効果をもたらすわけではないことやJCによってある種の副作用が生じることが指摘されている。

3.1 回避志向/予防焦点型のジョブ・クラフティングのネガティブな効果

JCの実証研究で多数を占める資源ベースアプローチ(注1を参照)では「対人関係における仕事の資源の向上」「構造的な仕事の資源の向上」「挑戦的な仕事の要求度の向上」「妨害的な仕事の要求度の低減」という4つの次元でJCが把握されているが(Times et al. 2012)、そのうち「妨害的な要求度の低減」は、他の3つの次元とは異なる性質や効果をもつことが指摘されるようになった。たとえば、Rudolph et al. (2017)のメタ分析では、「妨害的な仕事の要求度の低減」は、職務満足、ワーク・エンゲイジメント、パフォーマンスなどの結果変数と負の関係が見いだされた。

「妨害的な要求度の低減」とその他の3次元との相違は、その後、接近志向-回避志向(Elliot & Covington 2001)または促進焦点-予防焦点(Higgins 1998)という動機づけ理論と関連づけられて説明されるようになっている(表1)。一言でいえば、接近志向/促進焦点はポジティブな結果を得ようとする動機と、回避志向/予防焦点はネガティブな結果を避けようとする動機と関連している。「妨害的な仕事の要求度の低減」は回避志向/予防焦点によって生じ、「挑戦的な仕事の要求度の向上」などのその他の3つの次元は、接近志向/促進焦点から生じるとみなされている。

表1 接近志向/促進焦点型JCと回避志向/予防焦点型JCの違い

出所:筆者作成

また、Lichtenthaler and Fischbach(2018)は、促進焦点/予防焦点の区別を採用したメタ分析の結果を報告している。そこでは、促進焦点のJCは、ワーク・エンゲイジメントやパフォーマンスと正の関係があり、予防焦点のJCはワーク・エンゲイジメントやパフォーマンスと負の関係であることが示されている。

「妨害的な仕事の要求度の低減」にみられるような業務の負荷をなるべく縮小しようとするJCも、「仕事では自分らしさを発揮しない」という働き方の選択肢の一つといえるのかもしれない。しかし、それが広まることが「新たな協働」の望ましいあり方を示しているものとは考えにくいことから、回避志向/予防焦点型JCの拡大そのものについては、同僚などへの影響を除いては、以下では取り上げないこととする。

3.2 ジョブ・クラフティングが周囲にもたらす影響

欧米においてジョブとは、「ある職名・職位(job title)のもとで従業員によって遂行されるタスクの集合」(Cohen 2013: p.432)と理解されている。このようにジョブが組織メンバーごとに切り分けられていることを前提として、組織メンバーが各自のジョブに変更を加えることがJCと考えられている。しかし、組織メンバーがそれぞれのジョブの範囲でJCを行ったとしても、同僚や上司の仕事に影響を及ぼすこともあるだろう。

Tims et al. (2015) は、回避志向/予防焦点型の「妨害的な仕事の要求度の低減」が同僚とのコンフリクト、同僚の負荷増大やバーンアウトにつながることを示している。さらに、Tims and Parker (2020)は、JCが同僚に影響を及ぼしうることを前提として、JCが同僚からどのように受け止められるかが、JC実践者(job crafter)のウェルビーイングなどに影響を及ぼすプロセスについての理論的モデルを提示している。JCが同僚にとってネガティブなインパクトをもたらすものであれば、同僚はJC実践者に向社会的な(prosocial)動機が欠如していると認知する。そのように認知した同僚はJC実践者に対して敵対的な態度を取るようになり、その結果としてJC実践者自身のウェルビーイングが損なわれると予想されており、それを支持する実証研究もなされている(Fong et al. 2021; Fong et al. 2022)。

これらの研究では、主に回避志向/予防焦点型JCが取り上げられて、それが周りにネガティブな影響をもたらすことが示されていたが、接近志向/促進焦点型JCだからといって、それが周りからポジティブに受け止められるとは限らない。森永(2023)は、接近型JCに積極的な実践者が陥りがちな3つの過剰として、こだわり「すぎ」/偏り「すぎ」/抱え込み「すぎ」を挙げているが、それらには周りからのネガティブな評価も含まれている。

そうした3つの過剰のうち、「偏り『すぎ』」は、自分の価値観や好き嫌いをあまりに反映させすぎて、周囲の間から適切でないと捉えられることである。また、「抱え込み『すぎ』」では、自分で仕事を抱え込みすぎてしまい、若手の指導や育成といった別の役割がおろそかになるためにJCがネガティブに捉えられている 3)。先に紹介したように接近志向/促進焦点型JCは当人にとって望ましい効果をもたらすものの、周囲に対しては必ずしも望ましいとはいえない影響を及ぼしたり、望ましいものと周囲から受け取られないこともある。

こうした周囲への影響が近年になってようやく注目されるようになってきたことは、それまでのJC研究では、仕事において不可欠な「協働」という側面が置き去りにされがちであったことを示唆している。

4.ジョブ・クラフティングによる「新しい協働」の展開に向けて

4.1 ジョブ・クラフティングのマネジメント

JCは総じて組織や個人にとって望ましい効果をもたらすものの、それによる副作用が生じたり、望ましくない結果をもたらしたりする。JCが組織(における)行動である以上、それがポジティブな効果のみをもたらさないのは当然ともいえる。

そうした副作用や望ましくない結果への対応の一つの方向性として挙げられているのが、JCをマネジメントすることである(森永2023)。森永(2023)は、先に述べたように接近志向/促進焦点型JCであってもJCが副作用を引き起こすことがあるため、JCを継続するために上司や組織による支援が必要であると主張している。

森永(2023)では、JCを起こすための支援とJCを方向づける支援がともに必要であるとして、後者として「共有支援」と「方向づけ支援」が挙げられている。「共有支援」とは、JC から生まれるものを社内で共有することを支援するものであり、それを通じて組織に合わせた形でJCを実践するように工夫を求めるプロセスといえる。「方向づけ支援」は、大まかな方向性を共有することや、直接的に行動を修正するリクエストやフィードバックを行うことで、JC の方向性を共有したり、修正したりするものを指す。

このように従業員の自発性に基づく行動を尊重し、接近志向/促進焦点に基づく行動の促進を支援しつつ、同時にその方向づけを上司が行っていくというのは現実的な方略であり、かつ多くの現場でこれから求められていくことといえる。「働き手」や「働き方」の多様性の拡大とともに、組織や職場を単位としたダイバーシティ・マネジメントが重要な課題と位置づけられるようになってきたように、多様性を個人の業務遂行レベルにおいても反映しようする「新しい協働」の実現に向けたマネジメントのあり方も、今後いっそうの検討がなされていく必要があるだろう。

4.2 協同志向ジョブ・クラフティングの可能性

そうしたマネジメントが今後広がっていくことを期待しつつ、同時にJCの拡張を図ることによって先に挙げたような副作用を乗り越え、「新たな協働」の展開が促進される可能性を最後に検討してみたい。

藤澤(藤澤・香川 2020; 藤澤・高尾 2021; 藤澤 2023)はLeana et al.(2009)が提唱した協同クラフティング(collaborative crafting)を下敷きに、協同志向クラフティングという新たなJCを提示している。Leana et al.(2009)は、JCが実践共同体によって行われる可能性を指摘し、同じチームの従業員たちが協同してタスクの境界を変化させることをとらえるものとして協同JCという概念を提示した。

それを踏まえて提唱された協同志向JCとは、「他者や他者との関係性が生み出す強み、関心、成長動機などに適合するよう仕事の境界を物理的・認知的に変更する」(藤澤 2023: 233)ものであり、それと対置されるのが自己志向JCである。ここでいう自己志向JCとは、「自己の強み、関心、成長動機などに適合するよう、仕事の境界を物理的・認知的に変更する」(藤澤 2023: 233)ものであり、これまでの大半のJC研究は自己志向JCを対象としてきたといえる 4)

「仕事における意味深さや手応えやよろこびは、自己を活かすことのみによらず、他者の動機や資質を活かすことや、自己と他者の間で育つ感情や結びつきを活かすことによっても促進される」(藤澤 2023: 232)ことに着目した協同志向JCは、「私たち(we)」の意識を強調し、他者や他者との間で生まれる強みや感情を仕事に持ち込んで「私たち(we)を活かす」というスタンスに立つ。

さらに、Wrzesniewski and Dutton(2001)の定義におけるタスク境界/関係的境界、物理的変化/認知的変化に立ち戻り、藤澤(2023)では、表2のような、自己志向型JC/協同志向JCそれぞれの4つの形態が提示されている。

表2 自己志向JCと協同志向JC

出所:藤澤(2023) 表10-2(p.223)を一部修正して筆者作成

協同志向JCの4つの形態のうち、タスク境界の物理的変更はLeane et al.(2009)の共同JCに対応し、同僚と相談や協力をして仕事の内容や方法を変えるものである。関係的境界の物理的変更は、目的に共感しあったり個人的感情を他者と共有したりする機会をつくるものである。次にタスク境界の認知的変更は、仕事を協働者や受益者と協同して創造し得るものとして捉え直すこととされている。最後に、関係的境界の認知的変更 5)は、仕事にかかわる他者を、感情を持つ人間的存在、力を合わせる仲間として捉え直すことと説明されている。

こうした協同志向JCというあり方が認識されるようになれば、JCが契機となって生じる他者とのコンフリクトは、もちろんなくなるわけではないものの、縮小したり統合が図られることが期待できるだろう。いわゆるジョブ型雇用への注目などもあって、近年の日本企業においては仕事をジョブという単位に明確に切り分けようとする傾向が強まっている。そうした状況だからこそ、「新しい協働」を実現していくために協同志向JCがより求められるのではないだろうか。

5.おわりに

本稿は、多様な「働き手」や「働き方」が受容される現代において、「新しい協働」の在り方をJCの観点から検討した。一般的には望ましい結果をもたらすとされるJCが生み出しうる副作用について指摘し、こうした副作用への対応として、JCのマネジメントの必要性を示すとともに、他者の強みや動機を踏まえて仕事の境界を共同で再構築する協同志向JCという概念が「新しい協働」の展開に向けた一つのカギとなりうることを素描した。

もっとも、そうした可能性をもつ協同志向JCというあり方が学術界、さらには実務界で今後広まっていくにはその理論的基盤を強固なものにする必要があり、それにはこれまでの経営哲学の研究蓄積を参照することが有効である。とりわけ、「関係性の中での個」を前提に「社会の創造的プロセスを、それを構成する多様な個人の『経験の交織(interweaving)』として描こう』(三井 2021 p.42)としたフォレットの協働の哲学が、参照すべき主要な候補となるだろう。

1)  JC研究は、その展開の過程で、Wrzesniewski and Dutton(2001)の問題提起を踏まえた、JCと仕事上のアイデンティティや仕事の意味との関係を重視する役割ベースアプローチと、Job Demands-Resources Model(JD-Rモデル)を下敷きとして仕事との要求度(demands)と仕事の資源(resource)への働きかけとしてJCをとらえる資源ベースアプローチ(cf. Tims & Bakker 2010)に分化している(cf. Tims et al. 2022)。本論文ではAAWとより密接にかかわる役割ベースアプローチの議論を基礎としつつも、両者のアプローチが仮定している「よい仕事」像が密接に関連していることから(高尾 2023)、どちらのアプローチに基づく研究も参照する。

2)  本節の一部の記述には、高尾(2023)と重複する部分がある。

3)  残り一つの過剰は「こだわり『すぎ』」であり、残業時間増などの働きすぎにつながりうる。これは直接的に周りに影響を及ぼさないものの、当該従業員の健康を損なうリスクが増大するという意味で、間接的に周囲にネガティブな影響を及ぼしうる。

4)  もっともジョブ・クラフティングを提唱したWrzesniewski and Dutton(2001)は、社会構成主義への共感を表明するとともに、紹介事例においても自己志向的なものにとどまらない ジョブ・クラフティング像を提示している。また、少数ではあるが、協同クラフティングに関する研究もなされている(たとえば、McClelland et al. (2014)など)。

5)  関係性の境界を認知的に変更するJCを一つの形態と捉える議論については、高尾(2021)を参照。

参考文献
 
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