MACRO REVIEW
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マクロエンジニアリング考現学
理念と文明圏への構想
小畑 直巳
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1990 年 3 巻 1 号 p. 3-11

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抄録
マクロエンジニアリングは広領域の研究活動・プロジェクトを含むが,理念と実践による「文明の構築」という基本目標により統一される。文明の意味を「人間生存の価値体系,およびそれに基づく生存様式」とし,自然・社会・人間の相関による「文明工学」の立場からマクロエンジニアリングの現在と未来を考察・展望した。 国際的な視点よりマクロエンジニアリングの方向を考え,また世界の動向と文明の課題より,多元的な「広域未来文明圏」の構想を提起した。試案として「永劫未来」「自然調和」「人間活動・自立共存」「科学技術情報」の各未来文明圏,すなわち理念と実践の「価値概念共同体」が想定される。これらは実体としての「国家群共同体」とあいまって世界システムの未来像を形成する。 具体像へのアプロ一チとして,地球環境再生・第二紀自然産業・生存基礎システム・多民族コラージュなど,創・美・悠の営みによる「可能性の探求」が未来文明圏に至るプロセスである。
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© 日本マクロエンジニアリング学会
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